鮨裕 禅

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2019年8月の記事

「鮨裕 禅」への想い

「鮨裕 禅」が間崎島に誕生した理由をご紹介します。

伊勢志摩国立公園・英虞湾は、かつては真珠養殖で栄え栄華を誇っており、バブル期には別荘地として「海の軽井沢」と呼ばれていました。

しかし時代は移り変わり、真珠も南洋の白蝶貝や黒蝶貝に押され衰退し、生産高も減少。
また英虞湾の環境も、バブル崩壊とともに随分と変化しました。

以前に、お客様の船へ出張で鮨を握りに伺ったことがあります。
初めて見る英虞湾の穏やかな海風景や、鏡のような水面に移る空の美しさに魅了されました。また湾に浮かぶ真珠の筏と、大小60余りもあるリアスの島々のコントラストも不思議と日本の原風景を感じる景色であり、私の心を感動で深く満たしました。

「この海で、新鮮な素材を使ってお客様をおもてなししたら、さぞや喜んでいただけるだろう」と思い、地元のみなさんに手伝っていただいて筏の上で寿司屋を始めました。それはとても好評でした。

間崎島は離島で、日本の多くの地域と同様に「少子高齢化、過疎化」という問題を抱えています。さらに海洋廃棄物などゴミが漂着し、掃除をする人も予算もないまま放置されていました。サミットの際に三重県が英虞湾のゴミを撤去しようとしましたが、その膨大な量に追いつかず部分的にしかできなかったため、間崎島までも手が回らなかったのです。

このままでは、次世代に汚点を引き継いでしまう。このままではいけないと、間崎島で小さな行動を始めました。
それは、地元のみなさんと一緒に、ゴミを撤去し自然を守るという取り組みです。

2年間ボランティアで続けましたが、費用や人員面でも限界に達し、クラウドファンディングにもチャレンジしましたが達成できず。
現場での作業に一生懸命で、活動の情報発信をするということが後回しになり、認知してもらうという努力を怠ったためだと反省しました。

そんな活動を続けているうちに、間崎島で唯一の旅館が閉館することになり、その広大な敷地の一角を借り受けることができたのです。

間崎島で何ができるだろう?
この2年間の取り組みの経験と反省、間崎島の美しい自然環境や地域を次世代へつなげていく「離島活性化への取り組み」について、どうすればいいのだろうと考えました。「この地元を税収で潤し、行政が行動してくれる状況を作る」には、どのような仕組みが必要なのだろう、と。

そして始めたのが、会員制「ヘリで行く寿司屋 禅」です。

海女や漁師が獲った地元の新鮮な食材を贅沢に使い、地元の景色を間近で体感、日本の原風景を堪能していただく。
海を眺望できるカウンター席は6席のみで、1日1組のプライベートな空間(貸切)という究極のおもてなしです。

しかし英虞湾・間崎島が素晴らしい環境とは言え、東京からは6時間の陸路。とても日帰りなどできません。
それはヘリコプターを使うことで解決できました(東京から禅まで95分のフライト)
つまり「英虞湾におまかせ」のランチを楽しんでいただき、島内散策をしたあと東京でのお仕事へ戻ることも可能になったのです。

間崎島を大事にしたい。そんな思いを込めてヘリポート建設には地元のみなさんも手伝ってくださいました。
このヘリポートで、はるばる遠方から来られるお客様を心からお出迎えしております。

会員制「鮨裕 禅」は、お客様に喜んでいただける究極のおもてなしを通し、原点となる「間崎島の環境活動・離島の地域活性化」につながる取り組みをこれからも続けて参ります。

「鮨裕 禅」店主  堀 勇一